
- ダ・ヴィンチ・コード
- トム・ハンクス ダン・ブラウン ロン・ハワード
- ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2006-11-03
- 評価
by G-Tools
悪い意味で時間を忘れる内容だった。上中下巻3冊の原作のボリュームを2時間半の映画に無理やり押し込めたため、各場面が未消化のまま次へ次へとストーリーが進展していき、あっという間に時間が過ぎていく。ダヴィンチコードの魅力の一つである謎解きも、原作で描かれた試行錯誤が大々的にカットされ、いとも簡単に暗号を解いてしまう。
トム・ハンクスや、「アメリ」のオドレイ・トトゥ、ジャンレノなど早々たる俳優をそろえておきながら登場人物達も魅力に欠ける。これは俳優が悪いのではなく、ただただプロットを追うだけの内容では、役者達も力を発揮する機会があまりなかったのだろう。各登場人物達のバックグラウンドなどに対する説明も、原作と順序を変えたり端折っているため、各シーンや台詞に必然性を感じられず、登場人物に共感や思い入れが持てない。原作を読んでいるので、話がわからなくなる事はなかったが、「ああ、あそこをカットしてるな」とか「そこを変えちゃだめでしょ」という所にばかり意識が行ってしまい、観ていて気持ちのいいものではなかった。
本作は、話題作だから一応抑えておきたいが原作を読む時間がないとかめんどくさいという人にしかオススメできない。観光スポットをひたすら事務的に巡る観光ツアーのようなものだ。原作は面白いのに、かなり残念だ。あの作品を映画化するなら、3部作くらいにして、しっかり時間をかけて丁寧に作って欲しかったと思う。

