今の会社に入社して1年半が経過。かなり仕事にも慣れたし、チームの中での自分のポジションもある程度わかってきて、最初のころに比べれば圧倒的に楽に仕事をこなしていけるようになった(作業量は増える一方だけど^^;)。また、子会社や派遣の人などに指示を出したり、小さいトピックだけど仕事の方針を決めたりと、それなりに責任のある仕事もまかせてくれるようになってきた。ただ、最初の頃いろいろと疑問に感じていたことについて、「慣れ」とともに気にならなくなってきて、あまり自分の置かれた状況を客観的に見られなくなってきているのではないかと、最近思うようになった。ここらで一旦、今後の自分の仕事に対する方針についてある程度考えをまとめておく必要があるのではないかと感じている。とりあえず以下に、自分の頭にあることを、ブレインストーミング的に書き連ねてみます。まとまっていない上、かなりの長文なので興味と時間があればご覧ください。
参考:配属直後に書いた記事はこちら
現在の労働状況の長所・短所
長所
・適切な仕事量
暇すぎず、忙しすぎないちょうどいい仕事量だと思う。残業もそれなりにあるけど(だいたい20~40時間)、仕事の進め方についても自分の裁量である程度マネージメントでき、「今日は予定があるから早く帰って明日残業して終わらせる」といった調整がしやすい。有給休暇もとりやすくて、ほとんど抵抗もなく取得できる。忙しい職場に配属された同期の話を聞いたり、業界誌を読んだりすると、SEの悲惨な労働状況がいろいろと出てきて本当にうんざりしてしまう(慢性的に終電帰りなど。クレイジーだね)ので、それを考えれば、今の状況はかなり恵まれていると思う。ただ、これは今だけの話かも知れない。2008年にかなり大きな案件があるので、それに向けて徐々に忙しくなっていくし、自分の責任もそれに伴って大きくなっていくので、今後もこのメリットを引き続き享受できるとは限らない。また、かなり人の流動性の高い業界なので、ずっとこの職場にいることはありえないし、次の開発現場が死ぬほど忙しいっていうことも十分に考えられる。今のところ、ちゃんと自分の時間が持てるっていうのは、自分にとって何にも増して重要な労働条件の一つ。
・人間関係のストレスが少ない
今いる現場は、この業界ではよくあることだけど、いろいろな会社の人が集まって開発チームを形成している。例えば、全部で30人くらいのラインの中で同じ会社の人は4人だけ。違う会社の人とのコミュニケーションが多いから、あまり内的なことにも干渉されず、適切な距離を保ちながら仕事が出来る。入社前に心配していたようなしょっちゅう付き合いで飲みに行くといったようなこともない。上司や同僚も気さくな人が多く、自分の意見もいいやすく、人間関係のストレスがほとんどない。仕事の内容よりも、人間関係のこじれで仕事が嫌になってしまう人が多い中、この状況はかなりありがたい。
短所
・業務範囲が限定され過ぎ
今は大手都市銀行のシステム部に常駐する形で働いている。大銀行のシステムはもちろんかなり巨大で、当然ではあるが、自分達のチームが担当する業務はその中のほんの一部。銀行業務の全体的な流れには全くアクセスできず、金融業界の大きな動きなどについてもほとんどかかわりがなく、かなり特殊な一部の担当業務の業務知識しか身に付かない。社会人になって最初の数年という、かなり今後のキャリアを左右する期間に、限定された、あまり汎用性のない技術・知識しか身に付かないというのはすごくもったいない。もっといろいろなことを経験したいと強く思う。
・扱う技術が古くて汎用性がない
金融という、他業界と比べても特に間違いが許されない、信頼性が要求される業界のシステムであるため、稼動実績や、前例がなによりも重要視される。そのため、例えば現在かかわっているシステムは20年以上前からつぎはぎされながら維持されてきた古い技術を使って構築されている。このような技術は今後どんどん衰退していくはずで、これらの技術を身に付けたとしても、あまり将来的な自分の武器にはならないのではないかと思う。昔から脈々と受け継がれ、蓄積されてきた技術体系を学べるというのは、それはそれで価値のあるものだとは思う。しかしそれを考慮に入れても、やはりもっと新しくて、動きの早い刺激的な技術を使うような開発環境に、吸収力のある若いうちに身をおいてみたいという欲求も少なからずある。IT系の雑誌などを見ても、もう自分が携わっている技術などほとんど一言も触れられず、興味を引くような新しい技術については、全く身についていかない今の環境は、やはりあまり望ましくないと思う。このブログを運営していろいろカスタマイズしてみたりするのは、少しでも新しい技術に興味を持ち続けたい(開発者としては難しくても、せめてユーザーとして)という、そのcompensationみたいなものでもある。
・手続き至上主義
上記の前例踏襲が重んじられるという事ともつながるが、今の開発現場では、ものすごく手続きが重要視される。たとえアウトプットが同じだとしても、ものすごく細分化され、事細かに定められた手続きをひとつも漏らさずに行わなければ、その仕事は正式なものとして認められない。もちろん、そうした手続きがあることで一定の品質を保ち、大きな誤りの発生を抑えるということができるというのは理解できるが、そのために効率性やコストの面がかなり犠牲になっているのではないかと思う。たいした仕事でなくてもものすごく多くのマンパワーを費やしている状況を見ると、何か漠然とした虚無感を感じてしまう。誰がやっても同じアウトプットができるようにすることが大目標であり、その元ではあまり個人の自由な発想といったものは重要視されない。いちいち疑問など感じずに坦坦と作業をこなしていく事が仕事の大部分になってしまっていて、あまり面白みを感じない。ただこれは、事務系の仕事であればどこにいっても多かれ少なかれ同じようなものではないかとも思うので微妙なところだ。
・会社への帰属意識が芽生えない
入社直後から、一度も自社で働くことなく客先に常駐して働いているため、自分の会社に帰属しているという意識が全くといっていいほど芽生えていない。愛社精神みたいなものもほとんどない。自分の会社でたまに色々なイベント、行事が行われてもあまり参加する意欲もわかず、めんどうくさいという思いばかりが前に出てきてしまう。どうせほとんど関わりもないじゃないか、と。自分の会社がどんな案件に携わっているかなど、自社の置かれている状況などの情報もほとんど入ってこず、自分の会社についてほとんど何もわかっていない。そうなると、「自分は何でこの会社に籍を置いているのだろう?これなら別に他のもっと条件のいい会社に入った方がいいんじゃないか」といったような考えがいつも頭をよぎってしまう。
・生き方のモデルになる人がいない
この人みたいになりたいと思える人が職場にいない。ものすごく仕事が出来たり頭がきれるといった人もいなければ、誰にも負けない趣味や特技をもった人もいない。みんな(おそらく)あまり仕事が好きではないし、向上心も低い。とりあえずやることやって早く帰りたいという感じだ。昼休憩時に話す話題はバラエティ番組やスポーツなどテレビの話題ばかり。もっと尊敬できる人と一緒に働いたり、刺激の多い濃いコミュニケーションをとって、自分を高めたいという気持ちは強くなる一方だ。最近は興味のない話題でも適当に話をあわせてその場をやり過ごす事に、ほとんど何の抵抗もなくなってしまった。こうやってどんどん無感覚になっていくのは本当にやるせない。(10/9追加)
今後はどうする?
・この会社で引き続きやっていく場合
つらつらと現状について書いたが、長所と短所を天秤にかけて、やはり今後のことを考えれば短所の方が大きいような気がする。今の会社で引き続きやっていくとしても、異動の希望を早めに出す事を考えていくつもりだ。ただ数年のスパンの大きな案件が始まってしまっているので、区切りが悪いというのもある。今抜けるとかなりチームに迷惑がかかるという状況だ。それに中途半端に異動が通ったとしても、あまり後々の役に立つような経験にならなくなってしまうだろう。この案件をひとつの区切りとして(後2年は今のチームにいることになるが)、その後はやはりもっと技術的に面白みのあるチームへの異動を希望したい。いつまでも古い、アドホックな技術しか持っていない状況は早く脱したい。
・転職する場合
もし、転職するのであれば、今の業界で高ランクの企業を目指すのか、それとも全く違う業界に転職するのか、迷うところだ。今の業界でやっていくのであれば、自社でシェアの高いハードウェアを持っているようなベンダーにしたい。今の会社はさまざまなハードやソフトを組み合わせてシステムを構築するSIベンダーと呼ばれる業種である。今いるような大手銀行など、資金が潤沢にあり長いスパンの案件が多いような顧客企業であればまだいい。しかし、小規模のシステムを請け負う場合などは競合他社も多く、価格競争が激しいため、少ない予算で多くの要件を盛り込んだ結果として、開発者が結構劣悪な職場環境におかれることが多い。自社の顧客企業の構成比を見ると、上位数社の優良金融機関が売り上げの大多数を占めていて、その他の小規模顧客については、赤字プロジェクトを多く抱えている。
自社で高いシェアのハードを持ったベンダー(IBMなど)であれば、顧客から買い叩かれる事もなく、開発現場で常に一定のポジションを占めることが出来るという利点がある。会社の安定性という意味でも社員の安定性という意味でも、やはりハードを持っている企業は強いと思う。どこに行っても必要なハードの知識を高い水準で身に付ける事が出来るというのも大きな利点だ。
・他の業界、業種に変える?
全く別の業界に転職するというのも十分に考えられる選択肢だ。今まで書いた事と少し矛盾するかもしれないが、たとえ面白みのある新しい知識・技術に触れられるような職場で働く事が出来たとして、それが本当に自分にとっていい仕事人生を送れるかどうかは全くわからない。流れの速いIT業界で新しい技術に常にキャッチアップしていかなければいけないというのは、かなり大変な事だと思う。まだノウハウが蓄積されておらず、固まっていない(枯れていない)技術を使って企業のシステムを構築するというのはかなりリスキーなことであり、そういうプロジェクトに赤字プロジェクトやいわゆるデスマーチプロジェクトが多いというのも事実だ。新興企業との競争も激しく、相当厳しい労働条件が課されるかもしれない。常に何かに追われ、自分の時間もほとんど持てないという可能性も高い。今の現場が比較的ゆるいのは、すでに技術的に固まったツール、手法を使っているからというのもある。前例を踏襲すればいいというのは、ある意味で楽な事だ。どっちを取るか、迷いどころだ。
システムという、企業活動を根底で支えるインフラに関わるというのは面白い事だとは思うが、それは企業の主目的を達成するための補助でしかないのもまた事実だ。そうではなく、企業活動のメインの部分に関わってみたいという気持ちも強い。ないものねだりかも知れないが、営業や企画、人事など、他の職種として働いている友達の話を聞くと、かなり魅力を感じてしまうことも多々ある。毎日パソコンの画面を見て、無機質なシステム相手にウンウンうなっているっていうのは、ある意味では楽だけど、もっと体を動かしたり、人と関わったりする仕事をしてみたいと思ったりすることも最近多い。
それから、最近は文章を書くことに大きな楽しさを感じるようになってきている。自分の頭を整理して、考えた事を文章に構築していくという作業は、かなりエキサイティングだし、頭がかなりすっきりして気持ちがいい。自分の文章は完全に自己流だし、あらも多いけど、少し文章を書く仕事というのにも魅かれる部分がある。(仕事には出来なくても、文章を書いて発信するということは今後も続けたい習慣だ)
・本来、何がやりたい/何が向いているのか?
漠然としているが、自分に向いているのはもっと自己完結的な仕事だと思う。人とコミュニケーションとりたくないというような意味ではなく、仕事の一連の流れすべてにかかわり、全体性を常に把握していたい。また、それが出来る程度の規模の仕事が自分にはちょうどいいのだと思う。自分は周りから思われているよりはキャパが小さいので、意外とすぐにいっぱいいっぱいになったりする。社会的な重要性が高いとか、動かす金の量が多い大規模プロジェクトといったような仕事よりも、自分でも十分にマネージメント、メンテナンスできる程度の仕事を自分が満足のいくレベルで成し遂げ、それを積み上げていきたい。(10/12追記)
自分が本来何がやりたいのか、何に向いているのか、明確な答えはすぐにはでないだろう。今まで書いた事はやっぱり物事のひとつの面でしかないだろう。他の職場に移ったとして、そこではそこのいい面、悪い面があるだろうし、すべての希望を満たすような仕事はあるわけはないので、重要なのは優先順位だと思う。
今もおそらくこの先も、自分にとって重要なのは自分の時間を持てること。自分や好きな人たちのために十分な時間と体力を割く事が出来て、充実したプライベートを送る生活をしたい。仕事が面白くて充実していることももちろん重要だけど、好きな本や映画を見たり、週末にはしっかり遊んでリフレッシュできるような時間と意欲を保ち続けることができる事の方が、やっぱり自分には優先順位が高いんだと思う。
これを突き詰めると、(島好きの自分としては)前から半ば本気で思っているのが、島などで必要最低限の労働だけして生活したいというのもある。もちろんあまりリサーチなどしていないから、今の段階では全然現実的ではないんだけど。自分はあまり物欲や出世欲も高くなくて、物事への執着も弱くて、都市型生活のQOLがすべてではないと強く思っているので、そんなに悪くない選択肢だとは思う。
こういうのって、今流行の「負け組思考」ってやつなのかなぁ(^^;
所感
どういう決断をするにせよ、全く持って経験不足だと思う。就活のときも、ただ漠然と腕に技術を身に付けたいという理由でIT業界に絞って企業を選んだけど、これでよかったのかよくわからない。学生時代に選り好みをせず、もっと色々なバイトをしたり、旅行をしたり、色々なイベント等にも参加して、リアルな選択肢、引き出しをもっと増やしておくべきだったと今になって強く感じている。もう過ぎた事だとあきらめるにはまだまだ早いと思うし、今後はより積極的に行動して、経験値を高めていきたい。少なくとも、だらだらと何も考えずに毎日を送る事だけは避けたい。また、その経験をつなぎとめ、自分のものとして定着させていくツールとして、このブログも使っていきたい。
最近身にしみた言葉「行動しなかった結果に対する後悔は、行動した場合の後悔よりも圧倒的に大きい」

